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実は簡単!黒字倒産を防ぐには?

企業において一番怖いのが黒字倒産です。赤字で会社が倒産するという事は誰もがすぐに思い浮かべる事ができます。よっていくら資金繰りに無頓着だったとしても赤字が続くようであれば警戒して、コストを削減したり、資金を調達して経営を立て直そうとします。

このために実は経営者が知らない間に赤字倒産せざるを得なくなったという事はありません。

一方で黒字倒産は突然訪れます。黒字倒産が発生する状況においては、企業業績が良くて、経営者もイケイケになっていて周囲からも持て囃されていているという状況も少なくありません。そのようなタイミングで突然資金が無くなって倒産してしまうのです。よって、赤字倒産は黒字倒産の方が突発的に発生するので危機管理が難しいと言えます。本記事では赤字倒産よりも予見が難しい黒字倒産について説明します。

黒字倒産は予見しにくいが対策はしやすい

まずは黒字倒産を防ぐための基本的な指針について説明します。黒字倒産は予見するのが難しいけれども対策を行うのは比較的簡単です。つまり、冒頭で説明したとおり赤字倒産と違って黒字倒産は突然発生するので予見はしにくいけれども、黒字なので対策はたてやすいです。

例えば赤字の場合は銀行からの融資を断られたり、ファクタリングしようとしても債権がなかったりと資金調達が困難です。しかし黒字の場合は、黒字なので銀行から融資を受けられる可能性もありますし、ファクタリングのための債権も存在します。また魅力的な事業ならば投資を受けることもできます。よって、黒字倒産の対策として最も重要なのは黒字倒産が発生しそうな予兆を発見することです。

黒字倒産の予兆を発見する

では、どのように黒字倒産の予兆は発見すれば良いのでしょうか。黒字倒産の予兆を見つける際のポイントは2つで、資金が滞留している原因を発見すること、資金の循環に対して事業が急に拡大しているかをチェックすることです。

<資金が滞留している原因を発見する>

まず重要なのは資金が滞留している原因を発見することです。倒産は資金がなくなったときに発生する現象ですが損益計算書だけを見ていても会社が倒産しそうか否かということはわかりません。重要なのは貸借対照表です。赤字の原因は対策対照表の資産の部に隠れていることが多いと言われています。

資産の部には様々な項目が存在します。この中で一番重要なのは現預金で、現預金さえ潤沢であれば企業は倒産しません。しかし、現金だけでは事業はできません。製品製造のための設備や事務所のための建物、商品の在庫など様々な資産に現金は変化しています。

この資産の中身には収益に貢献している資産と貢献していない資産があります。例えば、在庫の中には売れ筋商品として欠品防止のために常に在庫を切らさないようにしておかなければならない商品がある一方でまったく売れないけれども捨てるわけにはいかないのでいつか売れるだろうと思って抱え込んでいる在庫があります。また、建物についてもバブルの頃に高値で掴んで売れるに売れないけれども固定資産税や修繕費で現預金を流出している建物もあれば、店子がいっぱいで毎月コンスタントに利益をだしている収益物件も存在します。

黒字倒産を防ぐ際に注目しなければならないのは収益に貢献していない資産です。収益に貢献していない資産は損益計算書に記録されないので損失とは認識されにくくはありますし、資産として記録されているので損をしたように感じないかもしれませんが確実に経営に悪影響を与えています。銀行から資金を借り入れている場合は滞留している資金の分だけ余分に現金を支払う必要がありますし、損益計算書上は黒字になっていますし、貸借対照表上も資産があるので経営上問題がないように見えます。

黒字倒産を防ぐためには、持っている資産で収益に貢献していない資産を売却して現金化する事が必要です。

<資金の循環と事業の拡大スピード>

次に資金の循環スピードに対して事業の拡大スピードが早すぎないかということもチェックする必要があります。日本の会計は発生主義を採用しているので、売上が発生したときに売上原価が発生します。しかし、実際には商品を仕入れた時のキャッシュアウト、商品が売れた時のキャッシュインには大きなタイミングのずれがあります。

キャッシュイン・アウトのタイミングと売上発生のタイミングのずれが大きければ大きいほど経営者や経理担当者の資金繰りに関する感覚がずれます。また、事業が拡大して流れているキャッシュが大きくなればなるほど経営者や経理担当者の感覚がずれます。

このように経営者や経理担当者の感覚はビジネスモデルによってはあてにならないので、きちんと資金繰りを記録する必要があります。いわゆる資金繰り表をきちんと、つけなければならない、という事ですがこれは難しいことではありません。帳簿はどこの企業もつけているはずなので帳簿の記録にキャッシュイン・アウトのタイミングを追加すれば良いだけです。

たいていの場合、黒字倒産の予見は資金繰り表をつけるだけで可能です。

黒字の際の資金調達方法

では、黒字倒産の場合どのような資金調達が考えられるのでしょうか。基本的には黒字なので様々な資金調達手法を利用することができます。ただし、黒字の場合でも貸借対照表上の売掛金や在庫の金額などは著しく多い場合は銀行の評価が低くなる可能性があります。よって、まず無駄な資産を現金化することをまず検討した方が良いでしょう。

その上で原因毎に色々な資金調達方法が考えられます。一番オーソドックスな方法が銀行からの資金調達で事業が急成長している場合は短期・長期どちらの借り入れでも良いでしょう。ただし、銀行は融資先毎に設定している与信枠を超えることはできないので、与信枠を超えそうな場合は、ビジネスローン含めて他の資金調達を考える必要があります。

事業は好調だけれどもキャッシュインとアウトのずれが大きい場合はファクタリングによる資金調達が有効です。信用力の乏しい企業でも良質な債権さえあれば利用することができ、銀行の与信枠にも影響をあたえないので、キャッシュイン・アウトのずれが大きい企業がファクタリングによって資金の流れを円滑にした方が良いでしょう。

事業が急拡大している場合、資金繰りが間に合う程度までに事業の成長を抑えてゆっくりと成長を図る事もできます。ただし、ゆっくりと成長していると競合に他社を奪われてじり貧になるビジネスモデルも少なくありません。そのような企業がとりえる選択肢がベンチャーキャピタルからの投資です。有望なビジネスモデルの場合、大量の資金が資本として調達できますが、資金の代わりに株式を渡すために経営に第三者の影響が発生することには注意する必要があります。

最後に

以上のように黒字倒産をどのように防ぐのかということについて説明してきました。経営者にとって黒字倒産は非常にもったいない倒産だと言えます。資金繰り表をつけてきちんと管理さえしておけば防ぐことのできる倒産だからです。

赤字倒産は儲からないビジネスモデル、収益を生み出せない組織体制など黒字化して倒産を防ぐのに非常に困難な場合が少なくありません。一方で黒字倒産はきちんとチェックさえしておけばテクニックで防ぐ事ができます。しかもテクニックと言っても難しいノウハウが必要となるわけではありません。当たり前のレベルで資金管理をしているだけで良いのです。

うちの会社は調子が良いから資金繰りについて気にしなくても大丈夫と思うのではなく、調子が良いからこそ資金繰り管理をした方が良いでしょう。